Leave A Tender Moment Alone

風の吹くまま 気の向くまま

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石田千 『家へ』


『彫刻家を目指す美大生の新太郎は、日本海沿いの町で、母親とその内縁の夫「じいちゃん」の3人での家庭で育った。実の父親、「倫さん」と親しく交流を続けている。複雑ながら穏やかな関係を保つ家族だったが、やがて、彫刻の修業のために、新太郎が留学を考えはじめたころ、小さな亀裂が走り始める。』

芸術というのは素人には難しい、と思っている私が、特にスゴイな…と思うのは彫刻や絵画と音楽の、何かと生み出すという行為の切っ掛けだったり想像力だったり感受性だったりの部分
その発想とそれを表現する力は、誰もが持っているようで持ち得ない力なのではと思ってる訳です

東京と新潟は新幹線の開通で距離は近くなったけどね、という雰囲気から始まる「懐かしいけど、窮屈さを感じる」部分がよく出てて、町だけじゃなく、なんだか主人公の家族構成も微妙に複雑で、っていうお話

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東直子 『晴れ女の耳』


「私が外に出る時は、どんなに悪天候だったとしても必ず晴れる。ある日、耳の奥から声が聞こえてきた。声の主は、豆粒ほどの小さなおばあさんだった。おばあさんがなぜ豆粒ほどに小さくなったのか─。訥々と語られる貧しい炭焼き職人の一家の物語。夫殺しの罪を着せられた母が、幼い子供達のためにした選択とは…。哀しみと絶望の底にさす一筋の光を描いた傑作。7つの怪談短編集。」

怪談というよりは、不思議系かな



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石井光太 『蛍の森』


「四国の山奥の村で、謎の連続老人失踪事件が発生した。容疑者となった父親の真実を探るべく私は現場へと向かう。だが、そこには歴史上最も凄惨な人権蹂躙の闇が立ち込めていた。人間はどこまで残酷なのか。生きる事に救いなどあるのか。長年の構想が結実した情念の巨編。血塗られた差別の狂気が、60年の時を経て、今蘇る─」

なんでこの本を読もうと思ったのか…その切っ掛けが思い出せないけど、読み進めていくのが段々苦しくなる、とてもとても哀しいお話です
多分もう読み返す事はない、かな

今でこそ、こういう事が正されてるけど、昔のハンセン病の忌み嫌われ方は想像を絶するものがありますね
時代が進んで病気が解明され理解が進み、そして患者達が声を発する事も発する場も手段もあるけど、それまでの「無い事」にされてきた歴史、凄惨な人生を書いたり遺したりするのは大事な事かもしれません
が、とても読むのが辛かったので、こういう事も知っておいた方がいいよとは迂闊に勧められないです

しばらく気持ちが重くなりました

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奥田英朗 『沈黙の町で』


「北関東のある県で、中学2年生の男子生徒が部室の屋上から転落し、死亡した。事故か?自殺か?それとも─やがて祐一が同級生からいじめを受けていたことが明らかになる。小さな町で起きた1人の中学生の死をめぐり、町にひろがる波紋を描く。被害者や加害者とされた子の家族、学校、警察など様々な視点から描き出される群像小説で、地方都市の精神風土に迫る。」

新聞連載の小説で、当時大津市いじめ事件もあり、どう展開していくのか注目を集めていました
ようやく読みました
誰も裁かない、という事で書かれ出版されたという事ですが、物足りなさを感じました
多分、現実でも同じく、誰も裁かれないというか、大きく罪を負わされるでもなく、反省もなく、賠償金というお金だけで終結させていくしかないンだろうなぁ~と思います

親だけは味方って考えもあるだろうけど、私には無理
大津市のいじめ事件においても、つくづくそう思ってしまう

それと、どうして教師が度を越した体罰や猥褻行為で書類送検されたりの懲戒処分を受けても、実名が公表されないのか不思議で仕方がないです
他の公務員は実名が出るのに、何故教師だけ???



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角田光代 『平凡』

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「もし、あの人と別れていなければ。結婚していなければ。子どもが出来ていなければ。仕事を辞めていなければ。仕事を辞めていれば……。もしかしたら私の「もう一つの人生」があったのかな。どこに行ったって絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。あなたもきっと思い当たるはず、6人の「もしかしたら」を描く作品集。」

「もうひとつ」 二三子と正俊の若い夫婦は、お互いの友人こずえと栄一郎の不倫カップルの4人でギリシャ旅行に出かける
『今持ってるものじゃないものばっかり追いかけている行為』に振り回される若い夫婦
不倫だからこそのドラマチックを求めるのか、その馬鹿馬鹿しさに平凡を考えるお話

「月が笑う」 平凡で平坦な結婚生活を送っていたつもりだった隈乃井泰春は、ある日妻から離婚を切り出される
幼い頃に交通事故に遭い、大した怪我をせずに済んだ泰春は、婦人警官に加害者を許すか許さないかと聞かれた事を思い出す
相手を許さないと言うのは怖かった、許さないと言ってしまえばずっと許さないことになる、その誰かもまた、ずっと許されないことになる、そんな重苦しいものを背負って自分も誰かも生きて行く事になる、それは嫌だ
幼い頃に一生懸命に考えて出した『許す』という言葉
許す事によって、違う人生を歩く事を選択する…そんな泰春を照らす三日月が笑ってるように見えた
泰春を笑うのではなく、笑いかけてくれるような
辛い思いをしながら次へ進む為のお話

「こともなし」 娘と夫の3人暮らしの主人公は、パートで働きながら献立ブログを書く平凡な主婦
しかし、学生時代に同級生と話題にした『別れた恋人が別れたのちに不幸になっていてほしいか、幸福になっていてほしいか』を時々思い出しては考える
『あの人と別れていなければ、結構してなければ、子供が出来ていなければ、仕事を辞めていなければ、どこにいったって絶対選ばなかった方の事を想像する』
数えきれない『もし』も一緒に今の私の手の中にある、いくつもいくつも、嫌になるくらいある『もし』の世界
いつかそれらをどうでもいいと捨てられる時が来るのだろうか天
ブログに書き記さない、蹴れば何もないかのようなこともない日々のあるあるなお話

「いつかの一歩」 宮本徹平は私鉄沿線に出した元彼女の飲み屋に行ってみる
元彼女とは結婚する気持ちになれず、振られ、次に付き合った女性と結婚するが、ある日離婚を切り出され受け入れる
元彼女は徹平にふられ、1人で生きていけるような何かを始めたくなり、次に付き合った男性から料理上手だった元彼女と比較された事で、料理教室に行くようになり、料理の面白さに目覚める
そして、誰かに何かをしてもらおうと思っちゃ駄目なんだと思って、今がある
出会いと別れがあり、変化があり、今の人生に繋がっている… 次を期待してしまうお話

「平凡」 分かれた相手を呪う、呪うまではいかなくても相手がどこまでの状態だったらいいと思っているのか?
ど平凡な主婦とTVで活躍する料理家、かつては同じような高校生だった女性2人のお茶会
同じ人を好きになり、先に告白して結婚した主婦と、華やかな世界で活躍するまで頑張ってきた料理家の、お互いを値踏み遠慮したり謙遜したり優越感を持ったり…のお話

「どこかべつのところで」 猫が逃げ出してしまい猫探しのビラを作成した主人公に、猫を見かけたと連絡をくれた高齢の女性
息子を事故で亡くしたのは自分が呼び止めてしまったからだと悔いている女性は、呼び止めなかった別の世界を夢想している…
そうして、もしもあの時こうしていればを夢想する事で、心の平穏を得て今を生きていくというお話

日常のあるあるなお話というか、作者が、年齢が上がるにつれ過去を振り返る機会が増え、その時々の岐路で選んできた道と他の道を事を考えるようになるというように話していて、確かになぁ~と思いました



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佐野洋子 『死ぬ気まんまん』


「ガンが転移し余命2年を宣告されながらも、煙草を吸い、ジャガーを購入し、ジュリーにときめく。そんな日常生活や、一風変わった友人たち、幼い頃の思い出などが、著者ならではの視点で語られる。その他、主治医との対談や、ホスピスでの死の見聞を綴った『知らなかった』、関川夏央氏による『旅先』の人』を収録。」

すごい時代を生き抜いてきた昔の人は肝が据わってるというか、人の生死に達観してるというか、死が身近だった時代が確かにあったンだなというも怖い気がするけど
なかなかこう潔く思うように最後を迎える事が出来るかどうか…
自信はないけど、静かにパッと散りたいと思ってます

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奥田英朗 『ナオミとカナコ』

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「ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の共犯者になる。望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追い詰められた二人が下した究極の選択─。いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那。復讐か、サバイバルか、自己実現か─。前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。比類なき奥田ワールド全開!」

夫のDVから逃れられなかったり、逃げても追いかけ回されたり、挙句氏に至る事もあるのはニュースでも度々あるので大変な事だとは思うけど…
先ず、中国人を信用するのが間違いで、替え玉などせず、もっと方法を練るべきだったのではないか?
と読んでる途中から思ってしまって、紹介文のように作中の二人の共犯者な気分にはなれなかったです

人を介すれば介する程、危険が増えていくのに


ドラマ化に際しては、吉田羊以外はミスキャストかな

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百田尚樹 『輝く夜』

「幸せな空気溢れるクリスマスイブ。恵子は7年間働いた会社からリストラされた。更に倒産の危機に瀕する弟になけなしの貯金まで渡してしまう。平凡な幸せが欲しいだけなのに。それでも困ってる人を放っておけない恵子は、1人の男性を助けようとするが─。」

『永遠の0』を読んで、面白いお話を書くと思ったので、短編集も期待して読みました
「魔法の万年筆」「猫」「ケーキ」「タクシー」「サンタクロース」
全て夜が作り出した魔法のようなお話
ただ「ケーキ」だけが少し哀しかったですね


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